淀川水系河川整備計画の策定に向けての取り組み

皆さまからよせられたご意見と回答

ご質問   京都府宇治市 / 山岡 久和

【質問と意見】

2008.2.6
国土交通省近畿整備局様
第70回委員会審議の中で大洪水時の宇治残流域流量は240トン/Sであるとの回答がされているようですが、私たち、一般住民が質問するとそれらしい資料を付けて300トン/Sと説明されてきました。
 河川管理者は住民意見を聞くだけですか?説明責任はそれらしい説明でよいのでしょうか?責任ある説明はされないのですか?と疑問に思います。これでは住民の意見聴取・反映はとても期待できません。
 .873で質問しましたことの回答が理解できませんので再度、質問します。
平成19年11月4日の「塔の島地区河川整備に関する意見交換会」で塔の島地区河川整備について淀川河川事務所が説明されました資料の中で宇治地点の計画高水流量1,500トン/Sにおいて、1/150として「宇治川では、天ヶ瀬ダムから山科川が合流するまでの一連区間において宇治地点の計画高水流量1,500トン/Sに対応した河道計画を策定することになります。」と説明され、「天ヶ瀬ダム再開発後の計画最大放水量1,140トン/S+宇治発電所放流量約60トン/S+天ヶ瀬ダムから山科川間の流入量=宇治地点計画高水流量1500トン/Sと説明し、「宇治地点」は、山科川合流点・天ヶ瀬ダム間の代表点として位置づけています。」とのことでありますが、多くの疑問があります。
その説明に山科川合流点上流域(天ヶ瀬ダム下流)約27kuとし、流出計算モデル(貯留関数法)による計算では、宇治橋上流域(天ヶ瀬ダム下流)16.8km2を合理式
で試算され、1/150年で268トン/Sの流出量となり、合計1,460トン/Sとなり、1,500トン/Sに設定されている。とのことでありますが、この計算には、次の疑問があります。

質問1. 戦後最大の洪水を対象として原案が策定されていて戦後最大洪水対応が完了すれば、桂川は1/30、木津川は1/40、宇治川1/100となります。何故、宇治地点(山科川合流点上流)と宇治地点(宇治橋下流点)が流域面積も違うのに同じ流量1,500トン/Sで河川改修を行うのですか、教えてください。また、塔の島地区は1/150で計算しても1,500トン/Sに到らず、過大になるのではないのでしょうか、何故、宇治地点だけが整備方針の1/150年になるのか教えてください。
 尚、「宇治地点」が宇治橋下流であるならば、山科川合流点上流では、1,500トン/Sをはるかに超える流量になります。説明してください。

質問2. 宇治川が戦後最大の洪水に襲われ、堤防の決壊の危険があり堤内地に住んでいる住民の生命と財産が脅かされている時に、また、塔の島地区のように越水の危険が迫っているときでも宇治発電所より約60トン/Sを放流する計画ですが、宇治発電所の水利権の条件はどのように決められているのですか教えてください。
宇治発電所の「余水吐け」が宇治橋下流域にあるのですから塔の島地区が危険なときは、「余水吐け」から流せばそれだけ安全度が増しますがどうしても発電しなければならないのでしょうか。

質問3. この流出計算モデルは、流域面積があまり小さくしすぎると適合しないのに、何故、更に小さい流域面積で計算されているのですか、教えてください。また、山科川上流域約27km2から約16.8km2をさし引いた残りの10.2km2の流出量は幾らになり、その流量はどこにカウントされるのですか説明してください。

質問4. 宇治残流域流量300トン/S精査されたら、240トン/Sであったと説明されるならば、計算結果である宇治残流域流量240トン/Sのそれぞれ計算に用いた式と使用した具体の数値の全てを公表していただきたい。

質問5. 山科川から天ヶ瀬ダムまでの間にある河川は、弥陀次郎川(京都府管理)、戦い川(京都府管理)、白川・寺川(宇治市管理)、志津川(京都府管理)、であります
が、いずれも1/30年(府)、1/10年(市)の整備目標でありほとんど改修済みであります。その上、ゴルフ場も含めて上流域で1ha以上の開発には恒久調整池が設けられてあり、農業用溜池もあり、流量・到達時間が調整されるため、カット排水、内水排除のポンプ排水も含めてこれらの地域からは将来に亘っても河川管理者が精査されたと言われる1/150年の流量240トン/Sも多すぎるのではありませんか、説明してください。

質問6. 戦後最大の洪水を対象とした今回の淀川水系河川整備計画原案と琵琶湖の後期放流1,500トン/S放流能力とは別物であります。宇治橋付近の計画高水流量1,500トン/Sの説明は天ヶ瀬ダムから1,200トン/S、志津川・白川・カット排水・内水排除ポンプ・宇治発電所放流等で300トン/Sであります。ここで宇治発電所の約60トン/Sを緊急避難として余水吐き水路を使って下流に流せるならば数十トン/Sになるものと思います。従いまして戦後最大の洪水を安全に流すのに対応した宇治橋付近の河川整備計画高水流量は約1,300トン/Sもあれば十分過ぎるのではないでしょうか説明してください。

質問7. 宇治川塔の島地区において、何を根拠にして戦後最大の洪水流量約1,200トン/Sよりも大きな琵琶湖の後期放流1,500トン/Sを流すことが、この度の淀川
水系河川整備計画原案ではどのように位置づけされているのか説明をしてください。第70回委員会 審議資料1−5によれば「琵琶湖の後期放流は下流洪水が低減し下流河道の水位が低下した状態で迎えることになるため、淀川水系河川整備計画原案で想定する整備内容を完了することで1,500トン/Sを安全に流下させることができます。」と述べられていますが、宇治川塔の島地区では河川管理者の案では、河床を今よりあと40p掘り下げ、一部右岸の道路を嵩上げして最大1,500トン/Sの河道改修でありますから戦後最大の洪水流量1,200トン/Sは安全に流すことが出来ますが、その後に、ときには10日以上の期間に亘って琵琶湖の後期放流(最大1,500トン/S)が改修された河道いっぱいに流れることになり、川岸には近寄れないばかりか水害の危険ははるかに増加します。
琵琶湖の後期放流量を流すにしても、何故、戦後最大の洪水流量の範囲内ではいけないのでしょうか説明してください。

質問8. 環境問題について
宇治川の河川環境は水質、生態系、景観等どれをとっても悪化しています。
たとえば、環境について魚類等の上下流の移動について天ヶ瀬ダムから放流がされていない時にゲートから落下して、たまたま一部生存が確認されたことにより琵琶湖からの降下はある程度は認められるとの報告がされていますが、天ヶ瀬ダムが放流してエプロン内が白濁しているときに琵琶湖からの降下した魚類が生存していけるとはとても信じられません。宇治川の生態系は外来種と鯉が多く確認されています。多くの漁業関係者にお聞きしても琵琶湖の固有種は激減して平成19年は、アユ漁はほとんど漁にならなかったといいます。第70回委員会審議資料1−4 淀川水系における河川環境の保全と再生に関する考え方には、私も賛同いたしますが、この考え方が今回の原案で、宇治川、特に塔の島地区にどのように反映されているのか具体に説明してください。ナカセコカワニナの生息環境を守れば魚類等も守られるというのは適切とはいえないのではありませんか、納得のいく説明をしてください。

質問9. 天ヶ瀬ダム再開発事業について
天ヶ瀬ダム再開発事業では、とりあえず天ヶ瀬ダムをバイパス出来れば責任が果たせる琵琶湖河川事務所が説明されていますが、そのために犠牲になる宇治市民への説明がありません。淀川河川事務所は塔の島地区の1,500トン/S放流のため流路確保の工事説明であり、戦後最大の洪水流量と関係なく、琵琶湖の後期放流ありきで、それらしい検討委員会は立ち上げられていますが、どれも市民意見が反映されているとは言えません。琵琶湖河川事務所は費用対効果のみと思われるような杜撰な計画で天ヶ瀬ダムさえスルー出来れば、下流の河川は淀川河川事務所の問題と云わんばかりの計画で、活断層や低周波問題、環境問題(景観問題・生態系問題等)は検討されているとは思われません。この天ヶ瀬ダム再開発事業計画(案)について、琵琶湖河川事務所が宇治市民に説明会を開催し、説明をしていただけませんか。

質問10.バイパス・トンネル案についてどうしても琵琶湖の後期放流1,500トン/Sを流したいのであれば、宇治市民の理解が得られるように塔の島地区の環境を保全し、治水の安全を確保できる方法を検討し、その妥当性について宇治市民にも説明することが必要と思います。その一つの方法がバイパス・トンネル案です。現在示されている案は下流の河川環境を無視した天ヶ瀬ダムだけをスルーするバイパス・トンネル案です。私は、天ヶ瀬ダムから宇治川の狭窄部である塔の島地区を越えて1,500トン/Sを安全に流下できるところまで約300トン/Sのバイパス・トンネルでもって行く案です。これが、費用対効果として理解が得られないとのことでありましたが、宇治川の洪水のためでないことが明らかになって、その目的が琵琶湖の浸水被害の軽減のためなら、宇治市民は、水害の危険と環境の破壊を受忍するだけであり納得が出来ません。他の狭窄部と同じようにバイパス・トンネル等で流路を確保すべき性質のものです。天ヶ瀬ダムから宇治橋下流域までバイパス・トンネルで迂回することが出来れば塔の島問題は解決できます。また、今まで破壊してきた河川環境の修復も可能になります。工事費が少し高くなるだけであり、是非、検討をしていただきたいと願うものです。見解を聞かせていただきたい。              以上
*立方メートルが文字化けするのでトンで表示しています。


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