桂川ウォッチングへの誘い



イメージ画像桂川水系は京都市北部広河原の先、佐々里峠で由良川水系との分水界になる桂川本流を中心に、丹波高原の複雑な山ひだを形成する多くの渓谷の流れをあつめ、亀岡盆地を経て嵐山から京都市西部を南流して淀川に合流しています。

上流区域では上桂川、大堰川、保津川とも呼ばれていますが本冊子では、「桂川」の名称で親しまれている嵐山付近から三川合流点(大阪府島本町)までを対象としています。

京都の最も代表的な河川といえば、先ず「鴨川」をあげる人が多いのではないでしょうか。昔から鴨川は古都の歴史的背景として、数多くの場面に登場してきました。また、現在においては京都の観光資源的な役割に欠かすことができないものとなっています。

この京の東を流れる鴨川に比べて、西の桂川はあまり目立った存在ではなかったように思います。しかし、古くは平安京造営のおりに丹波の木材を筏で運び、中世以降には都から西国への船便の往来が行われるなど、専ら水運としての利用があったことが知られています。

一方、鴨川は京都の市街地を貫流する河川であるため、それだけに昔から人の手が多く加えられてきたことも事実です。現在においても河川敷の公園化整備などが、積極的に行われています。

それに対して桂川は、流域の市街化に伴って河川敷の運動公園などの利用も近年拡大していますが、嵐山から三川合流点までの約22kmは、それぞれの区域の環境に変化があります。堤防や河川敷は野草におおわれ、一部には河畔林も発達し、周囲に田畑の広がる所もあるなど比較的自然の姿が残っています。

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また、三川合流点付近の河床では、現在でも古代から中世の土器片などを容易に見つけることができ、古くから河辺に依存した人々の生活があったことが想像されます。

そのような環境の桂川では、現在でも年間100種近い野鳥や多くの野草を観察することができます。

堤防やサイクリングロードからでも、冬になれば遠来のカモの姿が数多く見られます。また、桂川流域ではどの地域でもタカなどの猛禽類がよく出現するのも大きな魅力です。ときには岸辺の河畔木に注意してみましょう。枝にノスリやオオタカが羽を休めているかもしれません。

水辺ではカワセミの翡翠色が陽光に輝くのが年中見られます。そしてヨシ原や草原の中には多くの野鳥たちの営みがあります。

早春の河川敷にはネコヤナギの花穂がほころび、陽春の河畔林の下では、オドリコソウの群落が一斉に開花しています。ぜひ、桂川ウォッチングにお出かけください。きっと新しい発見と感動に出会えるはずです。


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